こんばんは。
兵庫県丹波市に鎮座する、伊尼神社権禰宜の石岡です。
今日はボクがどうやって神主になったかという話をします。
神主になる方法には、ボクが知っている限り5通りあります。
①神道学部がある四年制大学へ進学(条件︰高卒)
②神道の専攻科がある大学へ進学(条件︰恐らく高卒)
③いくつかの府県にある神職養成所へ入所(条件︰恐らく中卒)
④各都道府県神社庁主催の神職養成講習会に参加(条件︰恐らく中卒)
⑤通信教育(条件︰不明)
①②の大学は東京の國學院大学と三重の皇學館大学です。
③の養成所については全国に六ヶ所程しかないようです。
ボクが利用したのは④です。
いずれお話しますが神主には階級があり、家を継ぐためには下から二つ目の階級が必要なので、ボクは④を二度受講しました。最初の階級は三重で、次の階級は京都で取得しました。神社の規模によって、それ以上の階級が必要になったりします。
この講習会、大学生の時に受講しましたがまぁストレスでした(笑)大学で悠々自適に暮らしている人間が突然右も左も分からない世界に放り込まれて、他人と一ヶ月の寮生活。座学では神道の歴史、実技では神事での作法(一つ目の階級は正座を強いられる時間が最も長いので、座学より座学(笑))を学び、寮に帰っても試験勉強や作法の復習をしていました。休みは日曜日のみなので、疲れを抜き切ることは出来ず、みんなでヘロヘロになりながらの卒業となりました。
それでもこの講習に参加して良かったと思える点もあります。
少ない休みの日になると、先輩が遊びに連れてってくれます。
といっても三重の田舎なので、パチンコぐらいしかない(笑)
でも息の詰まる生活を送っているボクにとってはそれが救いでした。先輩も課題が山のようにある中で、後輩のことを気にかけてくれて精神的に少し楽になりました。
あとは夜になるとみんなで飲みに行って発散(笑)精神的に詰まってると、なかなか上手には飲めないですよね(笑)
そしてこれが出席簿。
一日三つ、一日の終わりに先生から判子を貰い、段々と修了に近付いていく。これを眺めるのも楽しみの一つでした(笑)
今思うと、毎日しんどかったのはしんどかった。でもその日を振り返る余裕なんてないぐらいに日が過ぎて、あっという間に修了式を迎えました。
みんな神主の卵でした。右も左も分からない者が集まって、作法の先生に怒鳴られながら、眠い目を清涼シートで拭いながら駆け抜けました。
今では全国に散らばって、それぞれの奉職先で日々を過ごしていたりします。
でも終わってみるとなんてことないです。就職してからの方が辛い事なんて山のようにあったりしますから。
たまに集まって飲んだりして。
そんな仲間もできる、ひと夏の神職養成講習会でした。
ICHI
伊尼神社権禰宜が色々投稿します。
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